洋書:Factfullness

⭐⭐⭐⭐⭐

こんな人にお勧め

  • ニュースを鵜呑みにして影響されてしまう
  • 世界の見方が偏っている
  • 世の中のことを知らなさすぎて恥ずかしい

世界を見る目

一番始めにクイズが13問出されます。そのうち私は5問だけ正解でした。
良くないスコアだと思いましたが、14か国の平均回答数は2問正解らしいです。チンパンジーにランダムに答えを選ばせたほうが正答率が高いと言う面白い結果。

錯覚は目ではなく、脳で起こっています。
世界は悪化していっているという錯覚に陥り、世界を見る目がドラマチックになりすぎています。代わりに、事実に基づいた世界の見方をすることによって、クイズの正答率はあがると著者は言います。つまり、世界をありのまま見ることができる。

世界で起こっている様々な出来事や流れを全て知ることは難しいけれど、世界の正しい見方を身に付け、ツールとして持っていれば、あらゆる場面で役立つことでしょう。

良いことよりも悪いことに目が行く

人間は良いことよりも悪いことに気づきやすいと言われます。ニュースでは、世界で様々なことが徐々に進歩していることよりも、世界で起こっている事件や事故など、悪いことを報道する傾向にあります。良いニュースは意識して探さないといけない見えなくなっています。

本当は悪いことばかりが起きているわけではないのに、「世界は良くなっている」というと、悪いこと全部を無視して、考えていないように聞こえることがあります。でも本当はbetterとbadが同時にあると捉えるのが良いのだと著者は言います。

世界の平均寿命

世界の平均寿命は1800年に30歳だったのが、今では70歳になっています。究極に貧しい暮らしをしている人は、1800年に85%だったのが、2017年には、9%まで下がっています。メディアで貧困に苦しむ人々への寄付、というニュースを見ると、それだけでまだまだ貧困に苦しむ人が多い、むしろ増えていると感じことがあります。大切なのは、貧困の問題は改善されてきているけれど、まだ対処するべきこともあると考えることだろうと著者は言っています。


グラフの見方

データの見方によって、事実から離れた捉え方になってしまうことがあります。男女差、貧富の差など、2つを比較して、その間に大きな差があるように見せるグラフが多いと言います。

発展途上国と先進国という2つの分類ではなく、4つのレベルに分けるのが良いと著者は提案しています。本を読むと、世界中で多くの人は、Level2と3に位置していることがわかります。2つの分け方や、「私たち」と「彼ら」ではなく、4つのレベルで捉えることで、もっと事実に基づいた印象を受けるようになると述べています。


恐れない

何かを恐れると明確に物事をみることができなくなります。自然災害や殺人、テロなど、ニュースの話題によく上がるような出来事は、全て合わせても、死因の1%にも満たない。でも人はそういった事柄を恐れるため、事実をそのままではなく、ドラマチックに捉えてしまいがちです。

メディアやニュースが悪いのではなく、attention logic(注意の理論)と呼ばれるものが原因です。何を見てどうかを考えるかは一人一人次第です。


数字をどう活用するか

The world cannot be understood without numbers.
And it cannot be understood with numbers alone.

世界は数字なしでは理解することができない。
そして、数字1つだけでは理解することができない。

「The size instinct 規模の直感」で、目の前にあるもの、個々の出来事に目を向けてしまいがちです。1つの数字だけを見るのではなく、2つ以上の数字を比較したり、割り算をしたりすることが、良い数字の見方です。

国単位ではなく、a per capita(一人当たりの)で計ります。例えば、ある国際会議で、中国はアメリカよりCo2排出量が多く、インドはドイツよりCo2排出量が多いという発言がありました。それに対して、インド人専門家はこう答えました。

From now on, we count carbon
dioxide emission per person.

これから、一人当たりのCo2排出量をカウントします。

国単位で見たら、人口の多い国がCo2排出量が多くなるのは当たり前です。一人当たりの量で比較すれば違うデータが示されます。

Amounts and rates can tell very different stories.

量と率は異なるストーリーを伝える。

ステレオタイプ

一般化の直感とは、実際には異なる人や物、国を、稀少な例を元に、グループ化してしまうことです。たくさんの人が一般化の問題に気づいたとき、それがステレオタイプと呼ばれるようになります。

どのグループ分けが勘違いを起こさせるものなのか認識し、良い分類に変えることが必要です。いつも、同じグループの中で違いを探し、異なるグループで似ているところを見つけるようにすると変わると言います。

ゆっくりと変化している

ゆっくりと変化していることは、変化がないこととは違います。

例えば、スウェーデンで1960年代に中絶は違法でした。学生は中絶するためにポーランドに行っていました。でも5年後にはスウェーデンが中絶を法律で認め、ポーランドが禁止するようになりました。

このように国や文化、価値観は変化しています。知識には賞味期限がないと思いがちですが、新しいデータを得たり、知識を新しくし続けないといけません。


責める対象

何か悪いことが起こると、明確で単純な理由を見つけようとします。誰か責める人が欲しくて、必死で見つけようとします。

でもこれをしてしまうと、世界を真に理解することができなくなってしまいます。責める人を探すことに夢中になって、他の説明を求めようとしなくなるからです。何か悪いことが起こったら、悪者を探すのではなく原因を探すことです。


焦らない

時間制限や最悪の事態を恐れると、愚かな判断をしてしまうことがあります。

分析して考える能力は、素早く判断をしないといけない、すぐに行動を起こさないといけない、と思うことに圧倒されてしまいます。

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