【レビュー】SIGNAL 10億分の1の自分の才能を見つけ出す方法

SIGNAL 10億分の1の自分の才能を見つけ出す方法

私たちは、常に周囲から発せられるシグナルと自分が「本当にやりたいこと」との間で葛藤を繰り返しているのだ。

多くの人が自分には何の才能もない、得意なことなど何もない、などと思って生きている。

でも実際は、1人1人に個性があるように、得意なことや強みがあるはず。あるのにそれに気づいていないだけだ。私たちは、気づかないうちに、否定的なシグナルを受け取り、否定的な考え方をし、それが行動にも影響する。

この本では、成功者と呼ばれる人たちが、どうやってそこにたどり着いたのかが具体的に紹介されている。彼らは決して最初から恵まれた環境に生まれたわけでも、才能が認められていたわけでもない。むしろ、貧乏な家庭で逆境を乗り越えて成功を掴んだ人達だ。

そんな具体的を見ながら、自分の才能は何なのか、目標に向かってどう取り組んでいくべきなのかを知ることができる本。


難読症を克服した韓国人著者

10年もの歳月をかけて、やっと完成したこの本。著者のチョン・ジュヨン氏は、3代教師が続く家系で生まれ、数学教師の親から過剰な期待を寄せられて育った。

父親は自分の息子が平均よりも数学ができないと分かると怒りをあらわにし「数学の才能のかけらもない」と否定的なシグナルを息子に送り続けた。

自殺することまで考えた著者は、ある人物と出会い、肯定的なシグナルを得たことから人生が好転していく。今では、10年以上も苦しんだ難読症を克服し、ベストセラー作家となっている。


シグナルとノイズ

シグナルには、一般常識、偏見、噂話、差別など様々な形がある。私たちは自分たちがシグナルを受け取っていることすら気づかずにいる。

特に気づかずにいるのは、否定的なシグナルだ。例えば、「才能がない」とか「おちこぼれだ」「平凡だ」というような言葉がそれである。

悪いシグナルは、「ノイズ」となって、人の判断や行動、あるいは目標設定すら変えてしまう。

自分の望む人生を歩むためには、そういったノイズに気づき、断ち切ることが必要だ。


子供には「肯定的な言葉がけ」を

勉強ができるか、できないかは、家庭環境や、生まれ持った才能によると信じている人は多い。しかし、著者によれば、子供が親や先生などから「否定的なシグナル」を受け取っているかどうかが大きな決め手となると言う。

「お前は勉強ができない」「平凡だ」という言葉をかけられ育った子供は、その言葉通りになる。そういったノイズを受け取り続けていると、その考えが刷り込まれていき、自分でもそう信じるようになる。心理学のアン・クリスティン・ボステンによると、

環境のシグナルというのは私たちがそれを信じたときにだけ影響を及ぼす。

つまり、どんなに否定的なシグナルが発せられたとしても、自分が信じなければ影響はない。

親は子供の教育のためと言って、大金を費やすが、一番大切なのは、子供への言葉がけなのだろう。「自分にはできる」「自分はこれが得意だ」という肯定的なシグナルを受け取り、自分でもそう信じる子供は、難しいことにも挑戦し、道を切り開いていくことができる。


人と同じ、平均を目指す教育の恐ろしさ

人と同じようにすることを重視するあまり、ある女の子の才能の輝きが消されてしまった例がある。イギリスで生まれたナディアという女の子は、他の子供に比べて成長が遅く、特に言葉を話すのが遅かった。しかし、彼女には驚くべき観察力と美術の才能があることが分かった。6歳の時には対象物を何時間もかけて観察し、美術家たちが驚くほどの作品を仕上げていた。

両親は言葉の遅れを心配し、ナディアには特別クラスと特別の教師が用意された。教育システムの中で、「平均」を目指し、皆と同じようになるために何をすればよいかを教えられた。ナディアが多くの単語を覚えていくにつれ、彼女の美術の才能は失われていった。

今の教育制度でも、個性よりも皆が同じように考え、行動することが求められている。「思考力」を養うことを目的とするならば、教育制度にも、もっと柔軟性が求められる。


男性優位の社会で
ノイズを断ち切り成功した女性

女性初のノーベル賞受賞者 マリー・キュリーの言葉

自分自身をないがしろにしない

男性優位の社会でも、家庭が貧しくても、自分の信じる道を突き進んだ女性。当時の先進国が女性の大学入学定員を「0」としていた中で、フランスだけは、女性も例外として受け入れていた。ポーランド出身のキュリーは全てを捨てて、大学進学のためフランスへ。

入学したソルボンヌ大学では、名門家庭出身の男子学生9000人を押し退けて、キュリーは見事トップになった。

女性なのに、そんなに勉強しても仕方がない。ボロボロの研究室で大したことができるはずがない。そういったとノイズを断ち切り、キュリーはひたすら研究に没頭した。この姿勢こそ、成功する秘訣である。


有名企業のCEOに共通すること

ヘンリー・フォードや、ビル・ゲイツなど、世界的に有名な企業のCEOの3分の1が何らかの学習障害を持っていると言う。通常、人と比べて平均よりもできない何かがある場合、競争社会では不利と言われることが多い。

しかし、こういった人々が成功しているのは、「皆と同じ土俵で勝負はしない」と早い段階で決めているから。自分の強みと弱みを知り、強みや得意な分野に集中する。これこそが、ノイズを断ち切り集中するということだ。


まとめ

この本を読むことで、自分の才能に気づくことができる。ノイズを断ち切り、自分の望む道を進んでいく際の自信につながるだろう。


他に紹介されていた具体例

  • 50歳でやっと認められた画家ポール・セザンヌ
  • ある人物の一言で不良で落ちこぼれだった高校生がハーバード最年少教授に
  • 白人が優位のウォールストリートの面接で枠を勝ち取った黒人

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